Web業界でHTML5を知らない人はいないといっても良いほど、ここ数年、HTML5の話題で持ちきりでした。マークアップが新しくなっただけでなく、さまざまなAPIが加わり、Web標準でリッチなコンテンツが制作できるようになったことはご存じの通りです。スマートフォンやタブレットの普及の後押しもあり、すでにWeb制作の現場ではHTML5を積極的に取り入れていると言えます。しかし、HTML5をはじめとしたWebテクノロジーの応用範囲はますます広がりを見せ、もはやWebページという文脈では語ることができないテクノロジーに進化しようとしています。
本講演では、現在のHTML5の状況をおさらいし、今後、HTML5をはじめとしたWebテクノロジーが世の中にどのような影響を与えていくのかを考察します。そして世界のプレーヤーたちがHTML5をどう捕らえ、それをどう活かそうとしているのかを紹介します。
HTML5をWebページの進化という文脈で捕らえていると、将来を大きく見誤ります。今やWebテクノロジーはアプリケーション基盤になろうとしているとよく言われます。これは何を意味するのか、将来Webはどうなろうとしているのか、みなさんのスキルは将来的にどの分野で活かせるのかについて、考察していきます。
すでに成熟産業になってしまったWebページ制作業界でトップを目指してがんばるもヨシ、Web技術のスキルを応用して新たな世界にチャレンジするのもヨシ。今後、Web業界はどの方向へ進むべきなのか、そして、みなさん個人はどういった方向に軸足を置くべきかを考えるきっかけになれば幸いです。
有限会社futomi 代表取締役
株式会社ニューフォリア 取締役 最高技術責任者
HTML5の気運が高まる以前からHTML5の探求を始め、HTML5専門サイト「HTML5.JP」を立ち上げ、HTML5の普及啓蒙に関わり、HTML5関連書籍や雑誌記事執筆も行う。
2011年 (株)ニューフォリア取締役(最高技術責任者)に就任し、HTML5を使ったコンテンツ作りの指揮を執る。また、W3CにてWeb-based Signage Business Groupの共同議長を務める。
W3CのHTML5仕様が2012年12月に勧告候補となり、内容がほぼ固まりました。ブラウザサポートがだいぶ向上し、安定してきたことから、スマートフォン向けサイトやCSSフレームワークはもとより、デスクトップ向けサイトの多くでもHTML5が採用されています。
このセッションでは、HTML5仕様の概要、文書構造、セクション、APIなど、HTML5の全体像とページ制作に必要な知識をコンパクトに解説します。また、セクション要素(section、nav、article、aside、header、footerなど)の使い方と、ページを適切に構造化するコツを身につけましょう。
株式会社サイバーガーデン 代表取締役
1975年、栃木県宇都宮市生まれ。
Webサイトのコンサルティング、Webサービスの企画・制作、Webテクノロジー関連の執筆や教育活動などに従事。
スマートフォン向けWebサービス、HTML5、CSS3、各種APIを利用したWebサービスの開発にも積極的に関わる。
角丸、ドロップシャドウ、不透明度などのCSS3のプロパティを使うことで、これまで画像を使用しなければ実現できなかった表現をCSSのみで実装できます。このメリットを存分に発揮できるのがスマートフォン向けのサイト制作です。
CSS3のプロパティやセレクタをおさらいしつつ、マルチデバイス対応として注目の高いレスポンシブWebデザインの実装についてデモを交えて解説します。
株式会社スイッチ
Webサイトの構築やコンサルティングを中心に、WebやDTPに関しての講演やトレーニングのほか、書籍の企画や編集、スクールなどのカリキュラム開発も手がける。
2005年からCSS Niteを主宰。日本全国、および海外に展開し、300回を超える関連イベントを通し、のべ40,000名を超える方が参加している。
テクニカルライターとして20冊以上の著書を持ち、総販売数は14万部を超える。
CSSとJavaScriptの高度化によって、Flashを使わずにHTMLベースで豊かな表現や動的な演出が実装できるようになりました。それに伴い、企画立案時の考え方や、制作時のワークフローもこれまでと変わりつつあります。
このセッションでは、CSS3とJavaScriptを実際の案件にどのように活用していくのか、また、ディレクションを行う上でどのような判断が必要となるのかを実例を交えながらご紹介します。
株式会社マックグラフィックアーツ 取締役
1974年生まれ。プロデューサー/プランナー。2006年取締役就任。コンセプトメイキング、コミュニケーション戦略立案、ディレクションなどを行う。主なクライアントは三菱電機、佐川急便、日清製粉など。2012年度企業Webグランプリ、コンセプト&アーキテクト部門グランプリ、ステューデント部門グランプリ、他受賞歴多数。
アプリケーションの開発プラットフォームの側面をもつHTML5が登場してきたことにより、従来Webコンテンツを制作するためのものであったWeb技術が、さまざまなデバイスのアプリケーション開発プラットフォームとして採用されてきています。
この流れは Windows も例外ではなく、Windows 8で採用されたタッチデバイス用の新しい UI環境で動作するアプリは、HTML5+JavaScriptを使用して開発することができます。
「Windowsストア アプリ」と呼ばれるこのアプリの開発は、プログラマーはもちろん マークアップエンジニア、デザイナーなども、いままで培ったスキルセットをそのまま生かしてアプリを作成することができるようになっています。
このセッションではWindowsストア アプリの具体的な開発方法、開発したアプリの販売、収益化の方法について紹介します。
日本マイクロソフト株式会社 Webエバンジェリスト
.NET 黎明期より、マイクロソフトと NTT docomo のジョイントベンチャー企業にて.NET Framework を使用したサービス開発に携わる。2004年3月、マイクロソフト・アジアリミテッド入社。インターネット関連の開発製品のサポートエンジニアを経て現職に。現在は、マイクロソフトのWeb技術を広めるべくOSSのイベントなどにも出没中。
これまで40本を超えるWindowsストアアプリを開発してきました。その中でデザイナーの方に携わってもらったものとそうでないものでは明白に違いが見られました。いうまでもないですが、携わってもらった方が魅力的なアプリケーションになりました。
より魅力的なWindowsストアアプリを作るためにデザイナーの皆さんには一人でも多く参加して欲しいのですが、Windows 8の作法に従い画面を構成するなど、デザイナーが知らなければいけないポイントもたくさんあります。
このセッションでは、これまでの開発経験をふまえ、デザイナーの方にWindowsストアアプリを開発する上で知っておいてもらいたいポイントをお伝えします。
株式会社システムフレンド 部長代理
洋菓子店にて店長業務に従事したのち、28歳でプログラマーに転職。
石川でFlash開発者として経験を積み、アドビのコミュニティイベントでの広島登壇を契機にシステムフレンドに入社。入社後は国産のECサイト構築フレームワークEC-CUBEでのサイト構築とWindowsストアアプリ開発を行う。
EC-CUBE公式エバンジェリスト。
CodeZineにて「速習 Windowsストアアプリケーション」を連載中。
今デバイスが変わろうとしています。
携帯はスマホへ、パソコンはタブレットへ、キーボート&マウスはタッチへ。Firefox OSやTizenのような新しいOSが登場し、Google Glassのようなウェアラブル(身につける)コンピュータも現実になりつつあります。
こうした多様化の中で存在感を増しているのがWebの技術「HTML5」です。これからのWebはブラウザーで表示されるWebページとしてだけでなく、OSで動作するアプリを支える技術としても利用されていくことになるでしょう。このセッションでは、マイクロソフトがそのHTML5をどう捉えているのか?最新のIEやWindowsとの関係を示しながらお伝えします。
日本マイクロソフト株式会社
UXエバンジェリスト
岐阜大学を卒業後、大沢商会を経て、アドビ システムズに入社。After EffectsやPremiereといったビデオ編集ツールのマーケティング一筋の10年を過ごす。
2007年にMS初のデザインツールと銘打ったExpressionのプロダクトマネージャーとして、マイクロソフトに入社。その後、Silverlightのプロダクトマネージャーを兼務し、両製品のマーケティングを統括する。2009年にエバンジェリスト部門に異動。ユーザーエクスペリエンス (UX) とHTML5、Internet Explorer、Windowsを担当。HTML5の中では<video>が一番得意。